2024年7月14日 巻頭言『愛の律法』

◆2008年から、自転車は原則として歩道を走行してはいけないことになりました。私はつい自転車で歩道を走ってしまうことがありますが、歩行者と自転車が衝突する危険がありますし、自転車が歩道を走ると、道路交通法違反として罰金を払わなければならないこともありますから、気をつけなければなりませんね。

◆先日二俣川駅の近くで、歩道を自転車で走行している人に、歩行者が「自転車は歩道を走っちゃだめだろう。こんな当たり前のこともできないなんて一体何を考えてるんだ!」と怒鳴っているのを見ました。自転車が走ってはいけない歩道を走行していたのですから、注意されて当然なのですが、その怒鳴り声に心が痛みました。この方は正義感から怒鳴ったのだと思いますが、その正義感には愛が感じられませんでした。現場は一車線の車道で、路上に駐車してある車が2台あったため、自転車が車道を走るには非常に狭くなっていました。そして自転車に乗っていたのはご高齢の方でした。その方がそんな車道を自転車で走るのは恐かったのではないかなあと思います。その上厳しい声で怒鳴られたのだから余計に気の毒でした。ちなみに、道路交通法によれば、13歳未満と70歳以上の者は、歩行者に注意を払いながら歩道を自転車走行してもよいことになっています。

◆イエス・キリストは新しい律法として私たちに与えられました。それはキリストの愛に基づく律法です。「愛は律法を全うするものです」(ローマの信徒への手紙13:10)と聖書は語ります。自分の正義感ゆえに、知らず知らずの内に他者を傷つける言動をしていないでしょうか。自分の「正しさ」の根底に、キリストの愛が備わっているでしょうか。

自分自身を愛するように隣人を愛しなさい」(レビ記19:18)

山中臨在